もっともその後を読むと本人は今、落ち着いていますし、自分は今も遅れた春、正におらが春を取り戻したいから2人目の奥様を近々もらうつもり、句も2万句よんだことですし、前を向きます、といった内容のことが記されていて、林蔵はほっとした。いつまでも泣いていても時は止まらない!あの人もがんばっているし、俺も進むのみと思い、浦から浦へと進む。
猟師や村を運ぶ者をみつけて、さりげなく聞きだすと、ここ最近、急に捕鯨船は来ているようで、多くの者が見かけたといっていた。
また薩摩でも異国船が事件をおこしていた。西南諸島の宝島でのことであったが、異国人たちは食料に牛をゆずってほしいと頼んだが、牛は日本人にとって黒砂糖の耕作や、砂糖汁をしぼる労役に使う労働力なのでムリなことである。
その後イギリス人がまたやって来て、酒や、パン、金銀の硬貨、時計等をだし、交換で牛をゆずってくれと身ぶりをまじえて言った。